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2019年03月04日

別れと出会いの春

前回の日記が、2016年9月でしたので、

そこから2年と半年が過ぎました。


大変ご無沙汰しており、また、

ご心配もおかけしてしまい本当に申し訳ありませんでしたが、

かんちゃん、ヌウ、私とも、変わりなく、

元気でなんとか暮らしております。


もっとも貧乏暇なしなのも、

”変わりなく”なのですが、ははは。


そんな”変わりなく”の、2年と半年。


しかし、ここ小堀谷の環境だけは、

”かわりなく”どころか、

まさに、激変と言っていいほどの転機が生じた、

2年半でもありました。


この地の生態系を、

この地に暮らし、生を繋いできたいのちを、

根底から揺るがしかねない、

そんな、転機。


それを知った時には、

愕然となり、それに対して、

徹底して反対したわけですが、

結論から言えば、

多勢に無勢、

砂浜の一粒の砂のごとき一個人では、

どうしようもありませんでした。


ただし、その転機、

すなわち、

人間による生活活動のための自然破壊なのですが、

徹底して反対したとはいえ、

その建築物によって、

私自身が少なからず恩恵を受けているということ、

そして、仮にこの地に建設されなかったとしても、

変わりに他の地で、同じことがおきていたということを考えると、

私自身にもその責任、

すなわち、

暮らす生き物たちの生活を、いのちを奪うという行為に対する責任の一端がある、

ということになります。


それに対して、

自問自答を重ねた、

そして、

納得できる答えが今もって見つからない歳月でもありましたが、

ただ一つ、決めたことがあります。


それは、

この3月をもって、この地を離れる、

ということ。


この里山に暮らす生き物たちと話すことができるならば、

「えっ、お前、それは自分勝手すぎるんじゃないか」

と、彼らから言われることであると、

重々承知してはいるのですが、

私には、

この結論しか導き出すことができませんでした。



「真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」

田中正造


中学生の時知ったこの方の、

この言葉の意味が、意図するところが、

今、ようやくわかったように思います。





この頃、晩になると、

裏山から、フクロウの鳴き声が聞こえてきます。


森の賢者は、今何を思い、

何を感じるのか。


責任の一端があるにもかかわらず、

この地を離れる私が言えた言葉ではないですが、

でもでも、

彼らには、少しでも長くこの地で暮らし、生を繋いでいってほしいと、

心から願わずにはいられません。





引越し先は、静岡市葵区になります。


私が小学生の頃、虫やなにやらを追いかけ、

駆け回った神社の裏山、

その山懐に、その家はあります。


築100年以上になる農家の古民家と納屋、

そして、畑。


土地は変わりますが、

でも、畑に集う生き物たちが主役で、私が裏方という関係は、

今までと同じ。


そこに集う、まだ見ぬ彼らと一緒に、

そして、

今まで共に頑張ってきた野菜たちと一緒に、

引き続き、農を紡いでいきたいと思います。


引越しが完了しましたら、

タイトルを変更の上、

ブログを再開しようと思いますので、

よろしかったら、またご覧いただけたらと思います。



毎回、長ったらしい文にもかかわらず、

今までお付き合いくださり、

本当にありがとうございました。



別れと出会いの春



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Posted by とんちゃん at 14:44│Comments(2)野良仕事
この記事へのコメント
今(3月6日、午後2時)偶然開いたページにビックリでした。すこしといっても3ヶ月くらい前になるかな?奥さんが用事でこちらに来た、と、訪ねてくださいました。あたごに人形劇の公演に言って以来でしたが、ぬうちゃんの印象が深く、思い出しました。3月には中学を卒業して、静岡の方に行かれるのですね。とうとうお目にかかる機会はなかったですが、どうぞお元気でお過ごしください。落ち着いたらまたブログ発信されるのを楽しみにしてます。私もこの頃は、フェイスブックの方が多くなりましたが、ハマゾウのブログがパソコンを使うきっかけでしたので、何とか続けてます。
Posted by けいこさんけいこさん at 2019年03月06日 14:22
けいこさん

こんばんは。
大変ご無沙汰してしまいましたが、お元気そうなご様子、本当に何よりです。そうですね~、数か月ほど前、私も妻からお会いしたとの話を聞き、お元気そうなご様子とともに、お孫さんも頑張っていらっしゃるともお聞きし、大変うれしく思いました。
月日の経つのははやいもので、子供だ子供だと思っていた娘も、この4月から、高校生に。新しい土地であり、何から何まで新しいことだらけで不安だとは思いますが、彼女なりに頑張っていくと言っております。私もそんなヌウを陰に陽にバックアップしながら、楽しい高校生活を送ってくれたらと願っています。
私も、けいこさんにお会いできなかったこと、そして、水窪にも足を運ぶことがなかったことが本当に残念で。どうぞ、お身体を大切に、末永くお元気でいらっしゃって下さいね。もし静岡までお出でになる機会がありました、その時にはぜひお立ち寄りいただけたらと思います。
つたないブログにもかかわらず、長年にわたりご覧くださり、また、コメントをお寄せ下さり、本当にありがとうございました。
Posted by とんちゃんとんちゃん at 2019年03月06日 22:06
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    コメント(2)